1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の加害者である「元少年A」(32)の手記『絶歌』をめぐり、「世に出すべき本ではない」と批判が噴出している。特に注目されているのが、著者が受け取る「印税」の使い道だ。 版元の太田出版によると、男性は「被害者への賠償金の支払いに充てる」と話しているそうだが、支払いに充てる義務があるわけでもなく、「金儲けのために出版するのは良くない」という批判もある。 アメリカでは、犯罪者による手記の出版など、自ら起こした事件に関連して得た利益を差し押さえ、犯罪被害者や遺族の訴えに基づいて、補償に充てる「サムの息子法」と呼ばれる法律が定められている。 「サムの息子」の名で若い女性などを殺害した連続殺人者デビット・バーコウィッツが、犯罪手記を出版しようとしたことをきっかけに、1977年にニューヨーク州で制定された。 『絶歌』出版を受けて、日本でもこのような法律を作るべ