現代社会は気候変動やパンデミック、社会情勢の不安など、さまざまな問題に直面しています。これらの問題について警鐘を鳴らす人々がいる一方で、陰謀論を唱えてそういった警告を無視したり、批判したりする人もいます。なぜ警鐘を鳴らす人が批判されてしまうのかについて、社会心理学者であるジェシカ・ワイルドファイア氏が解説しています。 How Good, Kind, Caring People Became The Bad Guys https://www.okdoomer.io/thebadguys/ ワイルドファイア氏は、自身の母親が統合失調症を患っていたことを告白しています。ワイルドファイア氏の母親は、「CIAが夫をスパイしている」「カテゴリー4のハリケーンが家を襲う」「娘は宇宙人だ」といった妄想に悩まされ、真夜中に自作の爆弾をワイルドファイア氏らの部屋に投げ込もうとしたり、ワイルドファイア氏の弟を誘
疲労は、私たちに休息の必要性を知らしめ、過剰活動により疲弊してしまうのを防御するための重要な生体警報(アラーム)の一つです。痛み、発熱、疲労といった三大生体アラーム機構ですが、痛み、発熱の分子神経メカニズムがかなり解明されているのに対し、疲労の分子神経メカニズムに関しては、ほとんど断片的な研究しかありませんでした。 研究の上では、「過度の肉体的および精神的活動によって生じる作業能率や作業効率が統計的有意に低下した状態」を疲労と定義していますが、このように定義すれば、疲労が客観的に計測できることになるからです。疲労は、ストレスが重なって起こる作業能率低下状態であり、ストレスが起因で疲労はその結果の一つの状態です。 また、医療の世界では、疲労は未病の最たるものと考えられ、回復しない疲労は、様々な疾病へと移行する予知因子と捉えられています。一方、多数の病気による全身倦怠感は、症候学では大きな要素
私が特に気にしているせいもあると思うが、昨年からデジタル影響工作に関連する研究の見直しをよく見かける。デジタル影響工作は2016年のアメリカ大統領選挙で有名になったが、2014年のロシアのクリミア併合からすでに多く取り上げられていた。10年目の節目だからなのかもしれない。 ●全体的な傾向これまで行われてきた研究を概観した研究としては下記を紹介した。・「COUNTERING DISINFORMATION EFFECTIVELY An Evidence-Based Policy Guide」 ・「What do we study when we study misinformation? A scoping review of experimental research (2016-2022)」 この2つに共通している過去の研究の課題は下記であり、この2つでも根本的な見直しが必要と考えられる。
当会は、国内外において人々の生命や人権を脅かす諸状況(戦争と基地問題、震災等自然災害、原発事故、感染症等)を歴史学の問題として受け止めることを活動方針に掲げ、特集とは別に時事問題を批判的に論じる「時評」の会誌掲載にも力を入れてきました。2024年春刊行予定の会誌『新しい歴史学のために』第304号には、宮下祥子氏の時評「社会心理学領域における「災害ボランティアの専門家」の言説の検討―令和6年能登半島地震をめぐるマスメディア報道の問題性に関連して―」を掲載予定ですが、速報性の観点からウェブサイトへの先行公開を決定しました。ぜひご一読ください。 本時評の原稿データの改竄は固く禁止します。無断転載もご遠慮ください。また、引用・参照に際しては会誌掲載のものをご参照ください。批判等のご意見については、お問い合わせフォームよりお願いいたします。 時評(『新しい歴史学のために』第304号掲載予定) 宮下祥
一部の医師を含む多くの人々が信じているように、ビタミンDのサプリメント摂取が骨折予防に役立つかどうかを検証するため、今から1年半前、2万6000人の男女を対象とした実験が行われた。結果は、ビタミンDは骨折予防に役立たないというものだった。ビタミンDを摂取している人としていない人の骨折の可能性はまったく同じだったのだ。ビタミンDの摂取量には関係なく、またカルシウムを補助的にとっても効果はなかった。 (※ビタミンDはすべての人に必要な栄養素だが、ほとんどの人は通常の食事から必要量を摂取している。そうでなくとも日光を10分間浴びるだけで、1日に必要とされるビタミンD量の約4倍を摂取することができる) 今回新たに3万6000人以上の閉経後の女性を対象に、ビタミンDとカルシウムの併用が及ぼす影響を22年間にわたって調べた大規模な研究が、医学誌「内科学紀要」に掲載された。被験者は7年間サプリメントを摂
日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会 医療現場では毎日、傷害を受けた子どもたちの診療を行っています。小児科医は、「こんな事故が起こるのか」とびっくりする事例に遭遇していますが、それらは単発で症例報告されることもほとんどありません。その情報がないため予防策にはつながらず、漫然と同じ傷害が起こっています。重症度が高い傷害を繰り返さないためには、発生状況を詳細に記録することが不可欠です。 そこで、こどもの生活環境改善委員会では、2008年に日本小児科学会雑誌と学会ホームページに「Injury Alert(傷害速報)」の項目を設けました。また、2011年からは学会ホームページに「類似事例」の掲載を開始しました。 この速報は症例報告ではありません。傷害の事実のみをできる限り正確に記載しました。また、当委員会の「傷害速報」担当が簡単なコメントを記載しています。日本小児科学会へはこれまで多数の投稿を
欧州において、以下の注意喚起が行われています。 「血中のコレステロール値を正常に保つ」としてヨーロッパや日本などで販売されている「紅麹で発酵させた米に由来するサプリメント」の摂取が原因と疑われる健康被害がヨーロッパで報告されています。EUは、一部の紅麹菌株が生産する有毒物質であるシトリニンのサプリメント中の基準値を設定しました。フランスは摂取前に医師に相談するように注意喚起しており、スイスでは紅麹を成分とする製品は、食品としても薬品としても売買は違法とされています。 (参考) 欧州連合(EU)、紅麹由来のサプリメント中のかび毒シトリニンの基準値を設定 スイス連邦食品安全獣医局(BLV)、紅麹を成分に含む食品の売買は違法と注意喚起 フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、紅麹を有効成分とするサプリメントを服用する前に必ず医師に相談するよう注意喚起
1月末に漫画「セクシー田中さん」の作者である芦原先生が亡くなられるという痛ましいできごとがおきてから、既に一週間以上が経過していますが、その経緯をめぐる関係者の姿勢をめぐり、今も大きな議論が続いています。 象徴的なのは、6日の段階で漫画「セクシー田中さん」の出版社である小学館が、今回の件に関する経緯などを社外発信する予定は無いと社員向けの説明会を開いていたことが報道され、それに対する大きな反発の声が上がっていたことでしょう。 参考:小学館 芦原妃名子さん急死の経緯、社外発信の予定なし 説明会受け、社員からは反発の声も その反発を受けてかどうかは分かりませんが、8日になって、小学館の現場編集者が声明を発表するなど、対応する動きも出てきています。 参考:小学館、芦原妃名子さん死去で読者・作家・関係者へコメント 現場編集者が声明「私たちは対策を考え続けます」 今回の件が、最悪の結果になってしまっ
Sheep herd pastures at the mountains near Khinalig village, Quba region, Azerbaijan. (Oleksandr Rupeta/NurPhoto via Getty Images) A few weeks ago, my friend Abigail Shrier—who you surely remember from this essay or this investigation—was invited to give a speech at Princeton. Abigail is the author of “Irreversible Damage: The Transgender Craze Seducing Our Daughters,” a bestselling book that, for
ガジェット全般、サイエンス、宇宙、音楽、モータースポーツetc... 電気・ネットワーク技術者。実績媒体Engadget日本版, Autoblog日本版, Forbes JAPAN他 11月23日、米国で「自転車用のオートマチックトランスミッションシステム」の特許出願が公開され、注目されています。 自転車の駆動機構は19世紀に発明されて以降大きく変化していません。より高速・快適に走るための多段変速化と、それを進化させた内装変速、電動変速といった機構が開発されては来たものの、ギアをシフトする操作は依然として手動で行わなければなりません。 個人発明家のHaven Mercer氏が出願中のこの技術は、自転車をこぐ力に応じてチェーンリング(ペダル側のギア)と、後輪側のギアを拡大縮小する機構で成り立っています。 チェーンリングは通常の円形ギヤではなく、小さな8つのギアがアーム上の支柱で軸とつながった
毎日新聞校閲センターは校閲の基礎知識や技術を身につけることができる「校閲力講座」を始めました。 校正・校閲の仕事をしている方はもちろん、編集や翻訳などに携わる方、校閲に興味を持つ方、ことばに関心の高い方――多くの方々に、私たちが長い歴史の中で培ってきた校閲のノウハウ、校閲のこころを共有できる機会にしたいと考えています。 現役の校閲記者が日々の経験の中からお伝えしたいことを構成し、校閲記者が動画の中で語ります。 「入門編」は動画20本のセットで2000円(税込み)。1本は6分ほどで視聴できます。購入期限も視聴期限もなく、購入後いつでも、好きなペースで受講できます。 1 校閲って何のためにあるの? (1)校閲の目的・意義 (2)人は必ずミスをする2 誤字・脱字などを避ける (1)変換ミス (2)似ている漢字 (3)仮名は恐ろしい (4)平仮名は難しい (5)ちょっと考えると……3 文章を読みや
【読売新聞】 「新型コロナは利権団体によるデマ」「ワクチンにはICチップが入っている」など、新型コロナの感染拡大を機にSNSなどで広まった陰謀論。そんな陰謀論に「ハマりやすい」人の特徴をあぶりだした日本人社会心理学者の論文が学術誌「
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