レイモンド・チャンドラー(『ロング・グッドバイ』)やレイモンド・カーヴァー(『ショート・カッツ』)など文学作品の映画化でも知られる、故・ロバート・アルトマン監督。その影響力は文学界にも及び、「アルトマネスク(アルトマンらしさ)」という言葉が、書評でも登場するといいます。ドキュメンタリー映画『ロバート・アルトマン/ハリウッドで最も嫌われ、そして愛された男』の公開を記念して、「アルトマン映画と文学の関係」をテーマに行われた、青山南さん(翻訳家・エッセイスト)と巽孝之さん(慶応義塾大学教授・アメリカ文学専攻)によるトークの模様をお届けします。 ※本記事は、2015年10月15日にYEBISU GARDEN CINEMAにて行われたトーク「アルトマンと文学の魅惑の関係」を採録したものです。 アルトマン映画と文学との関係 巽孝之(以下、巽):この映画の一つのテーマは「アルトマネスク」っていう言葉なん