寒冷地の大気や地下水を活用した節電スーパーコンピューターを、東京工業大学が新年度から5年計画で研究開発する。 国際的に激化しているスパコンの開発競争では、大型化に伴う消費電力の増大が大きな技術課題で、その3〜5割が冷却用に消費されている。自然冷却の導入により、総消費電力を現在より約4割削減する計画だ。 自然の力を利用する際、安定性が第一の課題になる。計画では、北海道大学に小型コンピューターを入れたコンテナを置き、東京より年平均で7度低い大気のほか、地下水や雪氷などで排熱を処理。コンピューターの安定した稼働を試す。 また、全国の大学、研究機関を結ぶ国立情報学研究所の超高速通信回線を使って、北大に置いたコンピューターを東京から遠隔操作し、大量のデータを送受信したり、回路をつなぎ替えたりする実験も行う。