2010年6月14日、宇宙航空研究開発機構は、小惑星探査機「はやぶさ」が地球大気に突入し、小惑星イトカワの表面物質が入っている可能性のあるカプセルがオーストラリアのウーメラ砂漠で無事回収されたと発表しました。日本惑星科学会は、小惑星サンプルリターンという惑星探査の新たな可能性を切り拓いたこの快挙に対し、心からの祝意を表明いたします。 2003年5月9日に鹿児島県内之浦から打ち上げられた「はやぶさ」は、イオンエンジンの実証試験を行いながら、2005年9月12日に小惑星イトカワに到着しました*。約2ヶ月にわたる現地観測によって得られたイトカワの実像は、平均直径が500mにも満たない小惑星に関する我々の認識を一新し、いわゆるラブルパイル天体の構造と成因を端的に示すものでした。さらに「はやぶさ」は微小重力天体への離着陸という人類初の偉業を成し遂げました。その後は様々なトラブルに見舞われ、地球との通