『ポストコロナのSF』『2084年のSF』『AIとSF』につづく、日本SF作家クラブ編の書き下ろしアンソロジー第4弾。先行する三冊にくらべ、『地球へのSF』という括りかたは曖昧だが、そのぶん多彩な作品が集まったとも言える。「まえがき」で同クラブ会長の大澤博隆さんは、〔そもそも「地球」をテーマに視線を飛ばせること自体が、SFの特技ではある〕と述べている。全二十二篇。 ディストピア的状況を描いた作品では、上田早夕里「地球をめぐる祖母の回想、あるいは遺言」が出色の出来。テラフォーミング途上の火星において、入植第一世代の祖母と火星生まれの孫との会話によって、地球が精神の自由を喪失した経緯が明かされる。それはいまの日本を蝕む格差・棄民・監視・情報統制の行きつく先にほかならない。火星に逃れたひとびとにも、その圧政の波がおよぼうとしている。この作品が扱っているものは、先週紹介したジョナサン・ストラーン編
","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"
チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク (竹書房文庫) 作者:ジョン・スラデック竹書房Amazonこの『チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク』*1は奇才ジョン・スラデックによって40年前(1983年)に刊行されたSF長篇だ。本邦では昨年邦訳が刊行されたが、あれよあれよというまに評価されて、2023年を総括するSFガイドブック『SFが読みたい!2024年版』の海外SF篇で見事一位の座に輝いた。 一位に輝いたぐらいなので本作はおもしろいが、なぜ40年前の作品が一位になったのか。理由が僕にわかるはずもないが、SFが読みたいは業界関係者による投票によってランキングが決定する仕組みなので、まず通に評価されたこと。また、『プロジェクト・ヘイル
毎年恒例の年間SFガイドブック『SFが読みたい! 2024年版』が本日発売! 作家や書評家など、SFのプロたち約100人の投票による年間ベストSFランキングや、第1位に輝いた作家、翻訳家のインタビュー、総勢55名の作家・評論家によるスペシャルエッセイ、2024年の各社SF刊行予定など、今年も盛りだくさんの内容となっています。本記事では特別にランキングの一部を公開します。全ランキング&詳細につきましてはぜひ本書をご覧ください! ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ベストSF 2023[国内篇]1『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』高野史緒/ハヤカワ文庫JA…231点 2『わたしたちの怪獣』久永実木彦/創元日本SF叢書…196点 3『ときときチャンネル 宇宙飲んでみた』宮澤伊織/創元日本SF叢書…150点 4『走馬灯のセトリは考えておいて』柴田勝家/ハヤカワ文庫JA…140点 5『あなたは月面に倒れてい
《三体》シリーズが爆発的にヒットし、名実ともに世界のSFシーンを牽引する存在となった劉慈欣。本書は、彼がブレークする前の2004年に発表された、短めの長篇である。 人類があらわれるより遙か以前に台頭した、二種類の知性のもつれにもつれた運命が描かれる。ひとつは恐竜であり、もうひとつは蟻だ。どちらも単体では知性を文明にまで昇華させる力はなかった。恐竜には器用な前肢がなく、原始的な工具以上のものは操れない。いっぽう、蟻は集団でこそ知性が生じるが、その知性は融通がきかない創造性に欠けるものだった。 しかし、この二種類の知性は、偶然にも互恵的な共生関係を結び、支えあうようにそれぞれの文明をかたちづくっていく。最初は蟻が恐竜の歯を掃除し、恐竜があまった食物を蟻に提供するという程度だったものが、やがて高度な医療、文字による意思疎通、情報の記録、蒸気機関の発明、輸送技術の進歩......と発展。恐竜も蟻も
ダイヤモンド社にて、書籍事業を担当する局。ビジネス、実用、教育、サイエンスなど多様なジャンルの書籍を刊行している。 だから、この本。 ダイヤモンド社の話題の1冊を取り上げ、書き手・作り手の思いや執筆動機、読んでほしい理由を深掘りするインタビュー連載。著者・訳者・デザイナー・編集者など、本に関わるさまざまな人たちの「だから、この本を書きました」「作りました」をお届けします。連載の詳細・記事一覧はこちら。 バックナンバー一覧 ChatGPTなどの新しいAI、地震などの自然災害、ウクライナへの軍事侵攻……日々伝えられる暗く、目まぐるしいニュースに「これから10年後、自分の人生はどうなるのか」と漠然とした不安を覚える人は多いはず。しかし、そうした不安について考える暇もなく、未来が日常にどんどん押し寄せてくるのが今の私たちを取り巻く時代だ。 『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』
言うほどSFファンでもないぼくがオクタヴィア・E・バトラーを知ったのは、ご多分に漏れずアフロ・フューチャリズム研究における先駆者のひとりに名前があったからだった。いや、「ご多分に漏れず」とは、我ながら偏見に満ちた言い回しだ。彼女の小説は、「ご多分に漏れず」フェミニズムの文脈でも読まれているのだから。ぼくがこれまで唯一読んだことのあるバトラー作品は、ハードカヴァーの、山口書房から刊行された『キンドレッド―きずなの招喚』だ。読む前に想像したのはサミュエル・R・ディレイニーの、たとえば『バベル-17』や『アインシュタイン交点』のような、カウンター・カルチャーにも汲みするニューウェイヴSF的な思考実験を詩的に展開するスペキュレイティヴ・フィクションだったけれど、読後に思ったのは、これはJ・G・バラードというよりもアリス・ウォーカーに近いということだった。待望の翻訳、『血を分けた子ども』を読んだいま
『最後の宇宙飛行士 (ハヤカワ文庫SF)』 デイヴィッド・ウェリントン,中原 尚哉 早川書房 1,430円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto NASAの有人火星ミッションが失敗し、宇宙開発がすっかり停滞して二十年。太陽系外から飛来し、地球へと向かうコースをたどる天体2Iが発見される。驚いたことに、慣性での移動ではなく減速をつづけているのだ。ということは異星の恒星船か? 色めきたったNASAはお蔵入りしていた探査用宇宙船オリオン号を打ちあげる。乗組員は四人。ベテラン宇宙飛行士サリー・ジャンセン(彼女が船長)、軍人ウィンザー・ホーキンス、2Iの発見者である宇宙物理学者サニー・スティーブンス、宇宙生物学者にして医学博士パーミンダ・ラオ。 オリオン号はぶじ2Iに接近するが、そのときすでに別な宇宙船が2Iへ先乗りしていたことが判明する。民間企業
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く