レスキュー現場に現れた昆虫が、救助隊を呼んでくれるーー。はるか未来の話に思えるが、その実現に向けた研究が進んでいる。 12月15日、早稲田大学にてある講演が行われた。タイトルは「昆虫を無線でコントロールすることはできるか?」。講演内容は、以前にも取り上げた、シンガポール 南洋理工大学の佐藤裕崇(さとうひろたか)助教授による『昆虫サイボーグ』に関するもの。その研究過程はどのようなものだったのか。順調に進まないこともある研究の中で、佐藤氏は、何を考え、どう行動したのだろうか。 講演会の様子。マイクを持っているのがシンガポール 南洋理工大学の佐藤裕崇(さとうひろたか) 助教授 最初のパートナーは"ほとんど飛ばない虫"だった 「ヒロ、10か月以内にゴミムシダマシを飛ばしてくれ」ーー。この一言から佐藤氏の『昆虫サイボーグ』の研究は始まった。佐藤氏がミシガン大学電子工学科にて、昆虫を活用したMAV(M