序 本書は抗菌薬の基礎知識を解説するだけにとどまらず,抗菌薬を比較しその使い分けを理解するのに必要な知識を解説する,という点で今までにないコンセプトで編集されている.実際の処方をするときにどちらの薬剤を使えばよいか,が決められるように実践的な内容を意識した. 現在,抗菌薬の解説書は多数出版されているが,添付文書の内容を基にしてまとめられたものが多い.しかし,添付文書にはその薬剤がどの系統(例えば第3世代セフェム系である,など)に属しているか,臨床的にどのような場面で使用すべきかなどは記載されておらず,適応菌種と適応疾患が羅列されているだけである.適応菌種と適応疾患が重複する場合,添付文書を読んでも実際にどちらの薬剤を使用したらよいのかわからず,使い分けることができないため,根拠をもって処方するには有用でない.また,添付文書によらず国際的な使用法をまとめた書籍や翻訳本もあり,系統ごと,薬剤ご
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