世界各国の国民や民族の血液型については図録9450で示したが、ここでは、血液型の世界分布について、世界地図3つにA型の割合、B型の割合、O型の割合のそれぞれの分布をあらわすことで示した。 A型の分布については、ヨーロッパで割合が高い点が目立っている。また北極圏やオーストラリア原住民でも割合が高い。アジアでは、日本だけが高くなっており、血液型から民族系譜を探ろうとする立場からは、日本人のA型因子がどこから来たか「謎」ということになる(県別の血液型を示した図録7308における古畑1962参照)。分布的にカスピ海周辺とつながっていると考えると、「栗本慎一郎の全世界史 ~経済人類学が導いた生命論としての歴史~」(2013)の説に近くなるし、オセアニア方面とつながっていると考えることもできるかもしれない。 B型の分布をみると、インドから中央アジア、西シベリアをへて北極海へ抜ける地域(東南アジア大陸部