●山崎雅弘の「詭弁ハンター」(第1回) いま日本の社会で、二匹の怪物がうろついています。一匹は「ウソ」、もう一匹は「詭弁(きべん)」です。この二匹は、同じ親から生まれた子どもで、習性はそれぞれ違いますが、一緒に行動することも多い、仲のいい兄弟です。 この二匹の怪物は、人間社会の良識を食い散らかして壊してしまうおそろしい存在です。とくに、政治の中枢にこの二匹の怪物が入り込めば、建設的な議論は成立しなくなり、子どもの口げんかのような低次元な罵りとはぐらかしを、いい年をした大人たちが恥ずかしげもなく口にするようになります。国会議員や高級官僚などの立派な肩書を持つ大人を、幼稚な子どもに変えてしまう不思議な力を、この二匹の怪物は持っています。 さすがに「こんな状態はおかしい」ということに気づく人が出始め、怪物の姿をとらえようという努力が、あちこちで始まっています。けれども、その多くは、比較的見つけや