ファイナンシャル・プランナー 畠中 雅子 2007年度は、所得税と住民税の税率が改正されました。このことは、ご存知の方も多いはずです。「所得税が減ったことで驚いた」という話は聞きませんが、その一方、「住民税や国民健康保険料が増えて驚いた」という方は少なくなかったようです。 ●所得税と住民税の控除差額は「調整控除」を利用 税率が改正された目的は、国から地方への税源移譲を図るため。国から地方への補助金を減らすことなどを目的に実施された改正といえます。所得税の最低税率が10%から5%に引き下げられる代わりに、住民税の最低税率は5%から10%に引き上げられています。 税率改正後も原則として所得税と住民税の総額は変わらないことになっています。「原則として」と断ったのは、所得税と住民税では基礎控除や配偶者控除などの金額が異なりますが、その差額についても「調整控除」という仕組みを用いて、納税者が損になら