あちら側技術とこちら側技術 技術のルーツを考えてみると大きく分けて二系統の出自に分けることができるように思います。食器や文具のような日常の生活の利便に供する道具作り由来の世界と、治山治水などのインフラ土木工事のような世を治める政治に直結する技術の系譜です。太古の昔から、後者を制する者が時の為政者となってきました。星の観測からナイルの氾濫時期を算出予測し、治水灌漑技術で水害を防ぐと同時に新田を開墾していったのです。武田信玄の信玄堤などもそのよい例でしょう。後の江戸時代に甲州流河除法と呼ばれた当時のハイテクは、戦国時代には門外不出の国家安全保障技術だったといいます。インフラ向けの高度な要素技術を握る者が時の為政者たりえたのです。 現代ユーティリティの御三家というと、水道、ガス、電気でしょうか。生きていく上で欠かせない水とエネルギーです。これに物流を加えて道路や鉄道などの交通網も重要な一員でしょ