算数で最も難しい単元のひとつとされている「速さ」の問題。「はじき」を使わずにどう教えたらいいのでしょうか。 多くの小学校では、5年生の3学期に「速さ」について学びます。速さは割合と並んで算数で最も難しい単元とされていますが、そこで重宝されているのが「はじき」の公式です。地域によっては「みはじ」と呼ぶこともあるようです。 「はじき」の公式を使うと、難しい速さの問題が魔法のように簡単に解けるということで、子どもたちには人気です。ところが塾講師の間では、「はじき」ほど最凶・最悪と呼ばれる悪名高い公式はありません。いったい何が問題なのでしょうか。 まずは「はじき」の公式を知らない人のために、ひと通り説明しておきましょう。 「はじき」とは、“はやさ・じかん・きょり”の頭文字をとったものです。 ・は……速さ ・じ……時間 ・き……距離(道のり) 図のように丸を三分割して、左下に「は」、右下に「じ」、上