ブックマーク / bakoji.hatenablog.com (216)

  • 【JAZZ新譜】日本でいちばんキュートなサックスプレイヤーの快作 Colorful Drops / ユッコ・ミラー (2021) - おとのほそみち

    Colorful Drops(通常盤) アーティスト:ユッコ・ミラー キングレコード Amazon 彼女のことを知らずにヴィジュアルを見たら、アイドルかコスプレイヤーだと思う人も多いだろうが、バリバリのサックスプレイヤーである。 それもこれも、ジャズは渋めのオジサンがやるものという先入観が多くの人にあるからで、そんな古臭いイメージを取っ払うためにも、彼女のようなジャズプレイヤーがもっと現れていい。 彼女も「芸能人格付けチェック」に出演するなどして、ジャズファン以外にも広く知られるようになってきた。 よいことだと思う。 彼女のアルトの音は伸びやかで溌剌としていて、アッパーな曲だと、見事に疾走する。 一方でスロウには、艶と歌心があって、聞かせどころを心得てる印象。 今作は、全9曲収録されており、ユッコ・ミラーのオリジナルが8曲、カバー曲が1曲。 そのカヴァーの"FLY ME TO THE MO

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  • 【JAZZ新譜】フュージョンのトップ・キーボード奏者が放つ痛快な一枚 Space-Time / Jeff Lorber Fusion (2021) - おとのほそみち

    スペース・タイム / ジェフ・ローバー・フュージョン Space-time アーティスト:Jeff Lorber Fusion Shanachie Amazonでも、たいへんファンの多い、ジェフ・ローバー。 近年の活動は、とてもコンスタントで安定していて、2010年に「ジェフ・ローバー・フュージョン」の名を復活させてからは、約10年で8枚のアルバムをリリースしている。 以前からのメンバーは、ジェフに、ベースのジミー・ハスリップで、ドラムのゲイリー・ノヴァックが3人目に収まった模様。 以前からサポートしていたドラマーではあるけれど、正規メンバーに昇進ということか。 この3人をベースにして、ボブ・ミンツァー、マイケル・ランドウ、ロベン・フォード、ポール・ジャクソンJrなどなど、たいへん豪華な面々が参加している。 決して新しいイマドキのサウンドではなく、ときとして80年代ぽかったりもするの

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  • 【JAZZ新譜】次世代UKジャズを担うサックス奏者のリミックス作 SOURCE⧺WE MOVE / Nubya Garcia (2021) - おとのほそみち

    SOURCE⧺WE MOVE / ヌバイア・ガルシア SOURCE ⧺ WE MOVE アーティスト:Nubia Garcia Concord Amazon 昨年リリースした初のリーダーアルバム『SOURCE』が、イギリスの音楽関連の賞で最高峰と言われるマーキュリー・プライズにノミネートされたヌバイア・ガルシア。 次世代のUKジャズシーンを牽引すると期待されているサックス奏者・コンポーザーである。 作はタイトルからもわかる通り、前作の続編であり、再編集作品。 『SOURCE』が持つエキセントリックな音楽性と、様々な音楽の混交をキープしつつ、より刺激的でエレクトロニックな方向へと再構築している。 作のリミキサーとして、エッジが効きまくったサウンドデザインで知られるロンドンの大御所、カイディー・テイタムが参加。 UKジャズの、これが最先端。 スピリチュアルで刺激的。不思議な覚醒感が味わえる

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  • 【JAZZ新譜】激動の時代にピアノトリオが描く希望の光 The Lights Are Always On / Lynne Arriale Trio (2022) - おとのほそみち

    ザ・ライツ・アー・オルウェイズ・オン / リン・エリエイル Lights Are Always on アーティスト:Arriale, Lynne -Trio- Challenge Amazon アメリカを代表する女流ジャズピアニストの一人、リン・アリエルの16枚目となるリーダー作。 そのタイトルを見ただけで、コロナ禍や人種差別問題が渦巻くなかで、それでも希望の光は灯り続ける、と訴えようとしていることがわかる。 具体的には、医療従事者などのソーシャルワーカーや、民主主義を守るために戦った人々を称賛するために、制作されたそうだ。 リン・アリエルの奏でる音は、凛として美しく、ベテランでありながら瑞々しさにあふれる。 基はハードバップで、ややヴィンテージでオーソドックスな演奏が持ち味だが、コンテンポラリーな展開にも才気を見せる。 フレーズに美メロや甘さは少なく、むしろややビターで、スモーキーなウ

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  • 【JAZZ新譜】トランペットとオルガン、ヴィンテージな掛け合い Mid Century Modern, Vol. 3 / Gabriel Mark Hasselbach (2022) - おとのほそみち

    ミッド・センチュリー・モダン 3 / ガブリエル・マーク・ハッセルバッハ Mid Century Modern, Vol. 3 Mesa BlueMoon Recordings Amazon コロラド州デンバー生まれのトランペッター、ガブリエル・マーク・ハッセルバッハ。 もともとはスムース・ジャズ路線の人なのだが、『MidCentury Modern Volume 1』(2018)と『MidCentury Modern Volume 2』(2019)では、ジャズの王道に挑んだ。 そして2021年の『Tongue & Groove』でスムース・ジャズに戻り、またその路線を歩むのかと思ったら、『MidCentury Modern Volume 3』が出た。 まだまだコンテンポラリージャズで、チャレンジしたいことがあるのだろう。 ドラム、ベース、キーボードとのカルテットを基に、ギター、フルート

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  • 【JAZZ新譜】現代のラージアンサンブルの魅力をふんだんに Imaginary Visions / Miho Hazama、Danish Radio Big Band (2021) - おとのほそみち

    イマジナリー・ヴィジョンズ / 挾間美帆 イマジナリー・ヴィジョンズ / 挾間美帆 & デンマーク・ラジオ・ビッグバンド (Imaginary Visions / Miho Hazama featuring Danish Radio Big Band) [UHQCD] [Import] [日語帯・解説付] アーティスト:挾間美帆 Edition Records / King International Amazon グラミー賞ノミネート作「ダンサー・イン・ノーホエア」以来3年ぶりの挾間美帆の作品。 2019年よりDanish Radio Big Band (DRBB、 デンマーク・ラジオ・ビッグバンド) の首席指揮者を務めており、DRBBとの作品はこれが初となる。 現在彼女はニューヨークを拠点に活躍中だが、DRBBはデンマークであり、また、オランダの名門、メトロポール・オーケストラの常任

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  • 【JAZZ新譜】ジャズとヒップホップを融合させた異能のピアニスト Bring Backs / Alfa Mist (2021) - おとのほそみち

    ブリング・バックス / アルファ・ミスト Bring Backs アーティスト:Alfa Mist Anti Amazon ジャズピアニストであり同時にヒップホップのMCでもあるという異能のミュージシャン、アルファ・ミスト。 近年、活況を呈しているロンドンのジャズシーンの立役者の一人である。 これまでのアルバムは、自身のレーベル「Sekito」から発表してきたが、作はソロモン・バークらの作品を送り出してきた「ANTI-」レーベルからのリリースだ。 トランペット、サックス、バスクラリネット、チェロ、ストリングスなど、多くの楽器が絡まり、ヴォーカルやラップも加わる。 曲ごとに表情は変わるが、これらの楽器を包み込むかのような、アルファ・ミストのフェンダー・ローズの音は、通底している。 決して派手ではなく、むしろ控えめだが、ヒップホップのトラック・メイキングに似た心地よい空気感は絶妙。 録音、ミ

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  • 【JAZZ新譜】年代モノのウイスキーの如きコク深いジャズオルガン Four Brothers / Tony Monaco (2022) - おとのほそみち

    フォー・ブラザーズ / トニー・モナコ Four Brothers アーティスト:Tony Monaco Chicken Coup Amazon トニー・モナコは、約50年のキャリアを誇る、ジャズオルガンのレジェンド。 オルガンの魔術師、とも称される。 ただ、あまりメディアに出る人ではなく、華やかなステージに立つ、という印象も薄い。 もしニューヨークを拠地にしていたら、もっと広く知られ、スポットライトが当たる機会も多かったはず。 しかし、彼は地元オハイオ州コロンバスにとどまって音楽活動を続けた。 今回の作品は、12作目のリーダー作だが、自宅のスタジオで作り上げたそうだ。 タイトルは、自分と、3人の参加メンバーを指してのものだろう。 モナコのオリジナル3曲のほか、スタンダードの数々。 「Brothers-4」は彼が敬愛するオルガン奏者ドン・パターソンへのオマージュだそうだ。 内容は、多くの

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  • 【JAZZ新譜】アフロビートが鮮烈なイスラエルジャズドラマーの初ソロ House Of Arches / Amir Bresler - おとのほそみち

    ハウス・オブ・アーチ / アミール・ブレスラー House of Arches アーティスト:Amir Bresler rings Amazon ムーブメントを通り越して、確固としたジャンル、勢力として定着した感のあるイスラエル・ジャズ。 その最前線を走り続けてきたアヴィシャイ・コーエンやオメル・クレインらをサポートしてきたのが、このアミール・ブレスラー。 これが初のアルバムだが、なんと、たった一日で録音されたらしい。 即興性に重きを置くのもジャズの特性とはいえ、初のリーダー作なのだから、じっくり練ってもよさそうなもの。 それと1日で、とは、コロナの影響もあったのかもしれないが、それだけの自信もあり、ライヴ感を重視した面もあるのだろう。 旧知のイスラエルジャズシーンの精鋭を集めてのもので、あまり枠組みを設けず、自然発生的な音の交差、連鎖を捉えることを重視したらしい。 アフロ的なポリリズム・

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  • 【JAZZ新譜】日系4世のサックスプレイヤーが描く戦争と祖父 Hidemi / Patrick Shiroishi (2022) - おとのほそみち

    ヒデミ / パトリック・シロイシ Hidemi American Dreams Records Amazon パトリック・シロイシはロスを拠点に活動している日系4世のアメリカ人サックスプレイヤー。 タイトルの“ヒデミ”とは祖父の名前だそうだ。 アルバムジャケットの写真は、彼の父と祖父である。 これまでにも彼は、自分へと連なる家族の系譜をテーマに作品をつくってきた。 前作『Descension』は第二次世界大戦時の日系アメリカ人の強制収容所をテーマにしたもので、今回の『Hidemi』もその延長線上にある。 祖父はその収容所に囚われていたからだ。 『Descension』はエフェクターで歪ませたサックスの鋭角的な音が、かなりシリアスで印象的だった。 今回の作品は、そうした歪んだ音は影を潜め、サックスの多重録音によるオーケストレーションを軸にしている。 アルト、バリトン、テナー、ソプラノと、あら

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  • ローリング・ストーンズ 60周年記念ツアー<SIXTY>セットリスト 2022.06.01 - おとのほそみち

    ザ・ローリング・ストーンズが6月1日、スペイン・マドリッドで60周年記念ツアー<SIXTY>をスタートした。 恒例のファン投票によるリクエストでは、「Beast Of Burden」を演奏。 アルバム『Aftermath』に収録された「Out Of Time」が初めてライヴで披露された。 ちなみに、この日はロン・ウッドの誕生日。 Happy birthday @ronniewood!! 🎉🎉 We’ll see you on stage tonight in Madrid to celebrate! 🎸 pic.twitter.com/aqEwDAJZzc — The Rolling Stones (@RollingStones) June 1, 2022 この日のセットリストは以下の通り 「Street Fighting Man」 「19th Nervous Breakdown」

    ローリング・ストーンズ 60周年記念ツアー<SIXTY>セットリスト 2022.06.01 - おとのほそみち
  • 【JAZZ新譜】10作目にして初のソロピアノ 選曲の幅広さに妙あり Opera / 桑原あい (2021) - おとのほそみち

    Opera (SHM-CD) アーティスト:桑原あい Universal Music Amazon 2012年にジャズ・シーンにデビューして以来、通算10枚目にして初のソロ・ピアノ・アルバム。 クラシック専用ホール「東京オペラシティ リサイタルホール」で、スタインウェイを弾いての録音だそうで、確かに音の響きは良い。 内容はジャズというよりジャンルレス。 ピアノインストゥルメンタル作品と呼ぶべき内容だ。 選曲の幅も広く、中でも特徴は、桑原あいの音楽を愛する著名人からのリクエストを受けたこと。 シシド・カフカ、立川志の輔、山崎育三郎、社長 (SOIL & “PIMP” SESSIONS)、平野啓一郎、の5人。 この人選からして、すでに広い。 各人1曲。 全11曲のうち5曲がリクエストということになる。 「ワルツ・フォー・デビイ」なんてベタなリクエストもあるが、まあ、あまりにベタすぎてリクエスト

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  • 【JAZZ新譜】世界のナベサダ、音楽活動70周年記念ライヴ ジャズ&ボッサ ライヴ・アット・サントリーホール / 渡辺貞夫 (2021) - おとのほそみち

    ジャズ&ボッサ~ライヴ・アット・サントリーホール アーティスト:渡辺貞夫 ビクターエンタテインメント Amazon 音楽活動70周年を迎えた渡辺貞夫が、2021年6月、サントリーホールにて行ったアニヴァーサリー・ライヴを収録。 ピアノ、ベース、ドラム、ギターに、ストリングスを加えた編成で、スタンダードやブラジリアンテストのオリジナルまでを、語りかけるかのように、丁寧に柔らかに伸びやかに吹いている。 こうしたアニヴァーサリーでは、おめでた感を出そうとしてか、ストリングスが過度にゴージャスになったりしがちだが、ここでのアレンジは控えめなのがいい。 そして、いまさらいうのも何だが、渡辺貞夫のアルトの音色は当に素晴らしい。 サントリーホールの音の響きは日屈指とされ、クラシックの演奏会で用いられる事が多いが、今回は、そのホールの特性を活かすため、また、サックスの生音を観客に届けるため、サックスに

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  • 【JAZZ新譜】アメリカを代表する女性ジャズピアニスト 優美な新作 Life Is Beautiful / Lisa Hilton (2022) - おとのほそみち

    ライフ・イズ・ビューティフル / リサ・ヒルトン Life Is Beautiful アーティスト:Lisa Hilton CD Baby Amazon アメリカを代表する女性ジャズピアニスト、リサ・ヒルトン。 いちおう書いておくが、あのセレブのヒルトン一族とは関係ない。 カリフォルニアの小さい街で、大学教授である父と会計士である母のもとに生まれた。 デビューアルバムのリリースは1997年。 これが、25作目のリーダーアルバムだと知って、そんなに多いのかと驚いた。 1年に1作のペース。実にコンスタントな活動ぶりである。 作は、ドラム、ベースとのトリオ作品。 彼女のピアノには、泥臭さやブルージーな感じはなく、品があってエレガント。 いまどき女性らしい、と言ってはいけないのかもしれないが、やはり女性が奏でる音だな、と思わせる瞬間が多々ある。 そして彼女は作曲能力が非常に高い。 作も冒頭の1

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  • 【JAZZ新譜】UKジャズのキーパーソンによるアフロな音絵巻 Black To The Future / Sons Of Kemet (2021) - おとのほそみち

    ブラック・トゥ・ザ・フューチャー / サンズ・オブ・ケメット Black To The Future アーティスト:Sons of Kemet Verve Amazon 現代UKジャズシーン屈指のサックスプレイヤーにしてキーパーソン、シャバカ・ハッチングス率いるユニットによる、名門インパルスからの2作目。 前作と同じく、テナー、ベース、ツイン・ドラムという和音の楽器がない変則的な編成。 加えて、ラッパーや詩人、ヴォーカリストがストーリーテリングを担い、BLMに揺れる社会の未来に向けて、メッセージを発している。 その意志はタイトルに示されているとおりだ。 リズムがアフロビートぽかったり、ベースの動きが軽妙でユーモラスだったり、ツインドラムが刻むレイヤーが複雑だったり、ジャズの枠にとどまらない表情豊かな演奏が続く。 ただ、ストーリーテリングが重要な要素だけに、英語をヒアリングできないリスナーに

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  • 【JAZZ新譜】バンクーバーの人気バンドがゴキゲンに活動再開 Do You Know A Good Thing? / Night Crawlers (2021) - おとのほそみち

    ドゥ・ユー・ノウ・ア・グッド・シング / ナイトクロウラーズ Do You Know a Good Thing? アーティスト:Nightcrawlers Mvd Amazon バンクーバーのオールスターバンドとも称され、地元では大人気だというナイトクロウラーズ。 ここ数年は活動休止状態だったが、コロナ禍の最中にもかかわらず、パワフルに新作をリリースした。 経済的にやや厳しかったようで、支援団体からの資金援助を受けての活動再開だという。 来2ホーンのところ、作はバンドを率いるコリー・ウィーズのテナー、ワンホーンというのがちょっと寂しいが、グルーヴィーで躍動感あふれる、ナイトクロウラーズの持ち味はそのまま。 活動を再開できるという喜びが、音の渦のなかから湧き上がってくるかのようだ。 フロントはコリー・ウィーズだが、ずべてのメンバーが辣腕で、うねりまくるアンサンブルは痛快。 特に、ハモンド

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  • 【JAZZ新譜】気鋭のトランペッターによる音の絵巻 Soundtrack / Jeremy Pelt (2022) - おとのほそみち

    サウンドトラック / ジェレミー・ペルト Soundtrack アーティスト:Jeremy Pelt Highnote Amazon アメリカのジャズチャートでは、ずっと上位にいる。支持が厚いようだ。 リリース元の情報が充実しているので、そのまま貼り付けておく。 現代を代表するジャズ・トランペッター/作曲家/作家、ジェレミー・ペルトがHIGH NOTE RECORDSより放つ、クインテット編成で臨んだ3枚目のアルバム。 リスナー自身の内面世界を一つの物語に見立てその「サウンドトラック」を目指した一枚。 00年代初めに頭角を現した後、10年代の初めにアコースティックな演奏からエレクトリックな演奏に大きく路線を変更をしたペルトは、ここ数年再び、アコースティックの路線に回帰していた。 作の特徴はムーグシンセサイザーやメロトロン(珍しい!)といった電子楽器を用いている点。 これだけ聞くと、またエ

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  • 【JAZZ新譜】カナダを代表するジャズ・フルーティストの新作 A Night At The Espresso / Tom Keenlyside (2022) - おとのほそみち

    ア・ナイト・アット・ザ・エスプレッソ / トム・キーンリーサイド A Night at the Espresso アーティスト:Keenlyside, Tom Mvd Amazon リーダーアルバムは数枚しかないし、ぶっちゃけ日ではほとんど知られていないが、約半世紀にわたり出身地であるカナダのバンクーバー及びブリティッシュ・コロンビア州の音楽シーンを支えてきた人。 サックスも吹くが、メインはフルートだ。 ある海外の記事に、エアロスミスの作品に参加していると書いてあったので、ほんまかいなと思って調べてみたら、なんと「Dude」のホーンアレンジとテナーは、トム・キーンリーサイドだった! 多才な人なんだなあ。 今回のアルバムは、カナダの実力派プレイヤーを集めての作品。 なかでもトランペットのブラッド・ターナーは、10枚以上のリーダーアルバムを数える凄腕だ。 このアルバム全体を通して、アレンジは

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  • 【JAZZ新譜】World Painter / めぐたろう (2022) - おとのほそみち

    World Painter MiKeN Records Amazon 実は不勉強で、このユニットのことを知らず、NHK-FM「ジャズトゥナイト」5月14日の放送で紹介されていて、初めて聞いた。 案内役の大友良英さんが「非常に面白い演奏」とコメントされ、たしかに耳に残る演奏だったので、アルバムをチェックしてみた。 めぐたろうは、ピアノの大谷愛さん、ドラムの中山健太郎さんによるデュオで、2015年10月結成。 2018年にファーストアルバム「Arise」、2020年にセカンド「Newselves」をリリース。 そして2022年3月、サードアルバム「World Painter」が登場した。 ピアノはメロディアスで鮮やか。歌心を感じさせながらも、ときにエモーショナル。 そのピアノに、ドラムが瞬発力と推進力を与えているように聞こえる。 もちろんデュオならではの対話や駆け引きもあって、そのへんはライヴ

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  • 【JAZZ新譜】ギター・レジェンド 初のソロアルバム John Scofield / John Scofield (2022) - おとのほそみち Jazz and More

    ジョン・スコフィールド / ジョン・スコフィールド 【メーカー特典あり】ジョン・スコフィールド (SHM-CD)(21世紀のECM 特典クリアファイル付) Amazon 約半世紀のキャリアを持つ大ベテラン・ギタリスト、ジョン・スコフィールド。 ソロアルバムなんて、とっくにリリースしているものと勝手に思っていたが、なんとこれが初。 セルフタイトルをつけたことにも、気合いと思い入れが感じられる。 自身のキャリアやルーツを振り返り、その影響を演奏で披露することを目指したそうで、なるほど自作曲以外の選曲にもそれが現れている。 バディ・ホリーの 「Not Fade Away」やハンク・ウィリアムスの 「You Win Again」はジャズではないが、自身にとって大切なルーツなのだろうし、一方でキース・ジャレットの「Coral」などジャズの著名な曲も採り上げている。 ギター2の演奏に聞こえる部分が多

    【JAZZ新譜】ギター・レジェンド 初のソロアルバム John Scofield / John Scofield (2022) - おとのほそみち Jazz and More