【第47回】 2009年01月20日 山本良一・東大教授が提言 「温暖化地獄」脱出のための低炭素革命 私たちは温暖化地獄の1丁目に入ってしまったのではなかろうか。 2006年末にはオーストラリア全土が過去1000年間で最悪規模の干ばつに見舞われ、小麦や大麦の生産が激減した。2007年には英国南部が60年ぶりの大洪水に見舞われ、35万人が水の供給を受けられない状態に陥った。ルーマニアでは気温が過去最高の44度に達し、1万9000人が病院に搬送された。ハンガリーでは猛暑での死者が500人に達した。日本でも2007年8月に多治見市と熊谷市で40・9度を記録し、74年ぶりに最高気温の記録を更新した。これらは近年世界で起きている異常気象災害のほんの一部である。個々の異常気象と地球規模の温暖化の進行を直接結びつけることはできないが、温暖化によって極端な現象が増大するということは科学的に予測されてい