原子力発電所で重大な事故が起きた場合に備え、作業員の被ばく線量の上限を引き上げるか検討していた厚生労働省の有識者会議は、緊急事態の場合は今の100ミリシーベルトから最大で250ミリシーベルトまで引き上げられるようにするとした報告書をまとめました。 17日に取りまとめられた報告書によりますと、原発事故の中でも、周辺住民が被ばくするような重大な事故が起きるなどの緊急事態の場合や、放射線量が高く限度内で作業することが困難な場合は、厚生労働大臣が被ばく線量の上限を最大で250ミリシーベルトまで引き上げられるようにするとしています。 対象者は電力会社の社員など原発の施設の中で事故対応にあたる人のうち同意が得られた人に限定し、放射線を防護する器具などについて事前に訓練を受けさせることを事業者に義務づけるとしています。厚生労働省は報告書をもとに労働安全衛生法の規則の改正を行うことにしています。 原発事故