自由党のウィルダース党首=井田写す 【ハーグ=井田香奈子】6月の総選挙で右派の自由民主党が初めて第1党に躍進したオランダで、連立協議が難航し、新政権発足のめどが立たない状況に陥っている。第3党に急伸した極右政党・自由党の扱いが、連立合意の障害になっている形だ。イスラム移民排斥などを主張している自由党のウィルダース党首は「右翼外しは民意に反する」と牽制(けんせい)している。 比例代表制をとるオランダでは、下院の150議席の過半数を一つの政党が占めることは難しく、複数政党で連立与党を組むのが通例だ。前政権も3党の連立だったが、今年2月、第2勢力の中道左派・労働党がオランダ軍のアフガニスタン駐留延長に反対して離脱し、崩壊した。 これを受けて実施された6月9日の総選挙で、上位は自由民主党(議席数31)、労働党(30)、自由党(24)、中道右派のキリスト教民主勢力(21)の順になった。 自由