感染が急拡大する新型コロナウイルスの第5波で、東京都の検査で陽性確認時に無症状の人が約1割にとどまっている。本来は無症状の感染者は3割程度いるとされるため、感染者が一部しか把握できていないことになる。保健所による濃厚接触者の調査が滞っていることが原因とみられる。政府は緊急事態宣言の延長と対象拡大を決めたが、市中に増える無症状者が無意識のうちに感染を広げている構図が浮かぶ。 【イラストで見る】一般の方と専門家による感染症のイメージ 都のモニタリング会議は昨年7月以降の1週間当たりの感染者数と無症状者の割合を公表。無症状者の割合は1週間の感染者が計1万人を超えた7月下旬以降、12・2%(7月20~26日)▽11・4%(同27日~8月2日)▽12・4%(同3~9日)-と過去最低水準が続く。 厚生労働省の「診療の手引き」によると、無症状者の割合は30%前後と推定。感染状況が落ち着いていた3月は20