西川 俊夫 (にしかわ としお) (名古屋大学大学院生命農学研究科 助手) 戦略的創造研究推進事業(さきがけタイプ)研究領域「合成と制御」研究代表者 “フグは食いたし命は惜しい”のフグ毒を名古屋大学大学院生命農学研究科の西川俊夫研究者らが新しい方法で合成することに成功しました。フグ毒の正体は「テトロドトキシン」といい、天然物の中では最も合成しにくい部類に入る難物中の難物です。フグ毒の研究は日本が世界をリードしていますが、これまでの合成例は別の方法による成功が僅か1例あるだけです。謎が多いフグ毒の研究に朗報です。 最も合成が難しい化合物の一つ フグ毒の毒性は、青酸カリの1000倍以上と猛烈に強く、僅か2mg程度の摂取で人間(成人)は絶命するとされています。にもかかわらず、日本人はフグ料理が好きです。そのためか研究も90年以上前の1909年に日本人の手で初めてフグ毒が抽出され、1964年にはフ