タグ

ブックマーク / note.com/masakadokawata (3)

  • 進化を説明する上で「利己的な遺伝子」という比喩は適切か?|河田 雅圭

    『『ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?進化の仕組みを基礎から学ぶ』(光文社新書)の「利己的な遺伝子」の内容について、意見をいただきました。 Shorebirdさんは、進化心理学関係のや進化のを洋書を含め、多くの書評をアップされている方です。Shorebirdさんは、書を取り上げていただき「関連するトピックについて最新の知見を紹介しつつ所々深掘りしていて,初心者用の単なる入門書に留まらず,興味深い啓蒙書に仕上がっている」と好意的な書評をして頂きました(以下のリンク参照)。ただ、第3章3-2「生物は利己的な遺伝子に操られている?」の内容について、ドーキンスの「利己的な遺伝子」の用法を否定的に紹介しているのは納得できない、という意見を頂きました。 その後、何回か Shorebirdさんとの間で意見を交換し、以下に「利己的な遺伝子」という比喩は適切かどうかという点についての、意見の相違

    進化を説明する上で「利己的な遺伝子」という比喩は適切か?|河田 雅圭
  • 進化における「適応」という言葉をめぐって|河田 雅圭

    進化における「適応」という用語の使い方には、古くから議論があり、その使い方には注意が必要である。最近、G.C. Williamsの『適応と自然選択』の邦訳(1)が出版され、その訳者である辻和希氏の後書き(2)でも「適応」の間違った使い方が指摘された。しかし、適応という概念は、その使い方が難しく、生物学のなかでも、その用法は混乱しているところがある。ここでは、最近の自然選択の研究を踏まえながら、なぜ適応という概念の適用が困難かを解説する。 適応の意味とは 日常生活で、「新しい職場の環境に適応できない」というふうに、その場の状態や条件にうまく対応できることのような意味で「適応 (adaptation)」という言葉を用いることが多い。たとえば、温暖化に対する対応としてもちいられる「適応」は、気候変動による影響に対応して被害を軽減するためのアクションという意見で用いられている。一般的な生物学的意味

    進化における「適応」という言葉をめぐって|河田 雅圭
  • 「種の保存のための進化」はどこが誤りなのか|河田 雅圭

    レミングの集団自殺? レミングとは、主にツンドラ地域に生息するネズミの仲間で、3年から4年周期で個体数が急激に増減することが知られている。特に、レミングイヤーと呼ばれる年には、その数は激増し、集団移動をすることがある。この集団移動の時に、多くの個体が海に飛び込み「集団自殺」をするという"迷信"が広まった。この迷信の原因の一つが、1958年に制作された「白い荒野」というディズニー映画である(ムービー1)。この映画では、レミングが崖から飛び込んで集団自殺する行動が写されている(以下映像のムービーの1分30秒あたりでレミングが海に身をなげる)。 ムービー1. ディズニー映画「White Wilderness(白い荒野)」のディズニー映画。 Wood(1) の記事によると、この映画はいわゆる「やらせ」で、レミングが海に飛び込むシーンは、ディズニー映画制作者たちに投げ入れられて撮影されたもの

    「種の保存のための進化」はどこが誤りなのか|河田 雅圭
  • 1