対象とするユーザーの“慣れや知識”によって,画面の構成を変えたほうが伝わりやすいとするならば,画面上の「ユーザー・インタフェース(UI)部品」の色や形状も,ユーザーに応じて変えるべきでしょう。今回は,代表的なUI部品でありながら,なかなか作り手の思うように押してくれない「ボタン」について考えます。 わかりやすいボタンの形状はユーザーによって違う まず,前回とほぼ同じ絵を用います。Webシステムの操作方法への「熟知度(PCリテラシ)」を縦軸,「提供したいサービスに対する知識」を横軸とします。そして,それぞれの「軸」に対して,受け入れやすいと思われる「ボタン」の形状を例記しました。 上図の【A】や【B】のタイプに当てはまるPCリテラシの高いユーザーは,ボタンの“ラベル”に「submit」と書かれていようが「GO」と書かれていようが,ボタンを認識することはさほど苦ではありません。 しかし,PCに
今回取り上げるのは,ほとんどのユーザーが読んでくれないのに,用意しなければならない“悩ましい”ユーザー・インタフェース(UI)部品――「(長めの)文言」――すなわち,注意事項などの説明文です。 どんなシステムであろうと,熟練ユーザーのみを対象にしない限り,何かしらの「説明文」は必須です。RIA(Rich Internet Application)の場合も例外ではありません。特に,RIAの「わかりやすさ」や「直感的に操作できる」という特性を活かせば活かすほどユーザー層が広がるので,「万が一」のためにも何かしらの「(長めの)文言」を表示する必要性が高まります。 この課題に対する秀逸な解決法を,全日本空輸(ANA)の「ANAパスポート」を例に説明してみましょう。日程/出発地/到着地の三情報を選択して,「空席照会」をクリックしたときに表示される「ご注意/ご案内」パネルに注目してください。 航空券は
一般的なRIA(Rich Internet Application)システムの作り方から,もう少し具体的な考え方に話を移しましょう。テーマは,「表」です。 下図は,「表」形式の情報を人が見た場合の挙動を模式化したものです。【1】に目が止まってから,【2】に視点や思考が移るという順番です。 「表」という概念は古くからあるので,横軸と縦軸に何か特別な「区分要素」が存在することは,ほとんどの人に刷り込まれていると言ってよいでしょう。したがって表の「カラム」に目が留まったら,その上と左に視線が動くのはきわめて自動的な挙動だと言えます。 縦軸/横軸から探す場合もあるでしょうが,その表が何を主題にしているかがわかっているなら,軸にとらわれることなく,中の情報を探すことも自然なことでしょう。例えば,価格比較のような場合がそれにあたります。数字として一番自分に「良い」ものを見つけてから,軸上にある店舗や製
ユーザー・インタフェース(UI)を改善する作業を始める際,ほとんど必ず質問されることがあります。「そんなことをやって得になるのか?」「費用対効果でみて有益なのか?」——。 UIを改善することが何になるのかを,下の問いで説明してみましょう。質問は簡単です。「水の流れている“蛇口”の水を止めるには,レバーを上げますか,下げますか?」です。 答えは,どちらも「正解」です。日本には,二つのUI(レバーを上げて水を止める方式と,下げて止める方式)が存在するからです。したがって答えの集計結果は,その分布を表します。私は講演などの場で何度かこの集計をしていますが,大抵はほぼ同じだけ手が挙がります。しいて言えば,「2」の下げる方がやや多いでしょうか。いずれにしろ,余り差はないと言えると思います。 この問題の趣旨は,間違った(水を多く出す)方向にレバーを動かした場合に何が起こるかを考えてもらうことです。もち
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