車輪の幅を変えることで、レール幅が異なる新幹線と在来線区間を直通運転できるフリーゲージトレイン(FGT)構想への逆風が強まっている。国土交通省や車両を開発する「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」は、九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)への導入を目指すが、これまでFGTに賛成していた佐賀県内からさえ「FGTでは時短効果が小さい。フル規格新幹線にしてほしい」との声が上がる。迷走を脱して、FGTが九州を快走する日は来るのか−。(大森貴弘) 空気抵抗を減らす流線形のボディーに、鮮やかな赤いライン。試験車両として3代目となるFGTが4月、九州新幹線鹿児島ルートを使って試験走行を始めた。鉄道・運輸機構は、長崎新幹線が開業する平成34年度の実用化を掲げる。 車両は4両1編成。一部に強化プラスチックを採用することで、これまでの試験車両より1両あたり2トン軽くし、通常の新幹線並みの43トンを実現した。FG