第3セクター山形鉄道(本社・長井市、野村浩志社長)のフラワー長井線は来月、梨郷(りんごう)―長井駅間を延伸してから100周年を迎える。今月26日は長井駅などで各種イベントが開かれ、地域を支える鉄路の節目を祝う。経営的には苦戦が続くが、「地域の足」としての役割に加え、観光戦略に力を入れて利用者増をめざしている。(山井健史) ◇「通学定期利用」7割 平日の長井線は朝夕、沿線2市2町にある県立高校4校に通う生徒でにぎわう。こうした「通学定期利用者」が全体の約7割を占めるが、少子化が進み、その数はかつての半分程度まで落ち込んだ。全体の利用者はピーク時の1990年度に約144万人だったが、昨年度は半分以下の約64万人と低迷している。 同社は事態打開に向け、社長を公募。旅行会社から転身した野村氏が2009年4月、5代目社長に就任した。野村社長は「地域の足」に軸足を置きながら、経験を生かして観光事業に力