西武鉄道の秩父地域への誘客が熱を帯びている。テレビでは特急レッドアロー号を利用した秩父旅のコマーシャルが数多く放映され、「ハローキティ」のラッピング電車が豊かな自然や食をPRする。なぜ「秩父押し」なのか。(出来田敬司) ドン、ドン、ドン-。秩父路の表玄関となる西武秩父駅。工事用のフェンスの内側から重機のつち音が聞こえる。西武鉄道が関連会社と進めている温泉の掘削作業だ。 温浴施設は二階建て延べ約四千平方メートル。源泉掛け流しの露天風呂、ジェットバスやサウナを設けた本格的な造りだ。開業目標はシバザクラの見物客でにぎわう二〇一七年春。担当者は「目標は年間三十万人。湯量が確保できるかが勝負」とそろばんをはじく。