千葉景子元法相が退任直前の昨年8月下旬、全国の拘置所に収監中の死刑囚約110人のうち、心神喪失の可能性を否定できない死刑囚の精神状態を調べるよう指示し、法務省が複数の死刑囚の調査を行っていたことが11日、分かった。死刑囚の精神状態に関する一斉調査は異例。 刑事訴訟法は、死刑囚が心神喪失の状態にあるときは、法相の命令で執行を停止すると定めている。元法相は取材に対し、指示した事実を認めた上で、「刑事訴訟法の規定がある以上、きちんと調べる必要があると考えた」と語った。 1966年に起きた「袴田事件」で死刑が確定した袴田巌死刑囚を支援する議員連盟が昨年8月24日、「袴田死刑囚は心神喪失状態にある」として元法相に刑の執行停止を要請。元法相はこの後、「(袴田死刑囚を含めて)心配な状況があれば調べるように」と指示した。 これを受け、法務省は袴田死刑囚を含む複数の死刑囚を対象に精神鑑定などを実施。袴