農場で試験中のハイテク街灯。人間の目には十分明るいが、稲の成長には影響がなかった(山本晴彦・山口大教授提供) 農作物の成長を妨げずに近くの道路を照らし出せるハイテク街灯を、山口大の山本晴彦教授らの研究チームが開発した。 稲や大豆などは夜中に光を浴びると育ちが悪くなるため、農地沿いの通学路に街灯を設置できない地域も多かった。4メートル先の人の顔が分かれば防犯効果があると言われており、2011年度中の販売開始を目指している。 植物の成長は、夜の照明で影響を受けやすい。稲の場合、ろうそくで照らした程度のわずかな明るさ(2ルクス)でも、浴び続けると穂が出るのが約5日遅れ、未熟米が増える。水銀灯で照らされて出穂が10日遅れた場合、約15%減収になるとの報告もある。 山本教授らは、波長などが異なる100種類の光を稲に浴びせ、影響を調べた。その結果、長い波長の赤色光などが稲の遺伝子の働きを妨げ、成長を遅