出版:トルペゲ、280ページ 価格:1万4000ウォン 「朝鮮の人に何よりもまず科学を与えなければならない。知識を与えなければならない」。イ・グァンスの『無情』(1918)に出てくる開化論者ヒョンシクの誓いだ。植民地朝鮮の多くの知識人は、抑圧的な帝国主義と封建の残滓のもとで疲弊した民衆の人生を救う方法を科学に求めた。西洋の圧倒的な軍事力に清がひざまずくのを見て、朝鮮人は科学の恐ろしさを痛感した。 だが当時、朝鮮の地に住んでいた誰も科学がいったい何なのか知らなかったために、それが朝鮮人のジレンマだった。科学は西欧がアジアを侵略する過程で強制的に移植されたが、一気に文明を開花させる妙薬にはなれなかった。科学はそのように朝鮮人との初めての出会いからゆがんだものだった。 帝国主義の収奪が最高潮に達した1910年代を、西洋人は「ベル・エポック(良い時代)」と呼ぶ。私たちにとってその時代は暗鬱だった日
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