身近な人がウツになる、という顛末を描いたのが『むしろウツなので結婚かと』という本だけど、事例を知ること、概念や用語を知ることはその状況に直面した人にとって極めて重要な情報になる。 いきなりルールも知らないサッカーの試合に放り込まれたら、ただうろたえるしかない。周りから「何やってるんだ!」と怒られても正解が分からない。目の前の事態は何かのルールに従って推移しているし、目の前の人物は何かの共通理解や思考に基づいて行動しているように見える。でも、それが理解できないからどうしようもない。サッカーのルールはこうで、だからこんな戦略や考え方が出てきて、実際の試合運びの例を映像で見せてもらえれば、大きなヒントになる。上手にプレーすることまではできなくても、自分がどんな状況にいるのか知るだけで少しは安心できる。本書は「ウツ」という状況についてそんなヒントを提供してくれる。 例えば、妄想には2種類があるとい