神奈川県の真鶴町と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。周囲にある箱根、熱海、小田原など有名な観光地に対して、この町は美しくコンパクトにできあがっている。それに大きな役割を果たしたのは、20年以上前に施行された『美の基準』というまちづくり条例。この条例が美しい景観やこの町に暮らす人々のコミュニティを守り続けてくれた。 そんな真鶴に縁を感じて移住したふたりが、川口瞬さんと來住(きし)友美さん。2015年4月、ふたりは「真鶴出版」を立ち上げた。全国的にも地域出版というものはまだまだ種が小さい。しかも彼らのユニークなところは、同じ屋号でゲストハウスも運営していること。真鶴を伝えること、真鶴に迎えること。ふたつを融合した先に、真鶴のどんな未来を思い描いているのだろう。 フィリピンから即、真鶴へ 移住を決めたのは熱意と縁 川口瞬さん(以下、川口さん):僕は山口県で生まれました。その後小学生の時に千葉に引