この一文を読んだとき、心の中では正座して傾聴している自分がいました。 (前略)少女漫画でデビューして、描いてきた身としては、主に女性の作家が描き、主に女性の編集者が作っている雑誌が、主に少女である読者にジェンダーステレオタイプを刷り込む、というのは、とても悲惨で、許しがたい構造だと思う。少女漫画は、もっと少女の考え方や生き方を自由にするものでなければ、それは少女に対する裏切りではないか。たかが漫画に、そんなこといちいち考えなきゃならないのか、不自由なことだ、というのは筋違いで、もうすでに我々は十分不自由なところにいるので、それを遅ればせながら解放していきましょうという話です。 だってここには「私は私の読者を裏切らないようにする」という作家としての信念があるわけじゃないですか。 私自身は女性の心身で生まれながらも、少女漫画に育てられたタイプではなく、家の中に転がっていた週刊少年ジャンプを読ん