京都大が吉田寮(京都市左京区)の老朽化対策で9月末までに寮生全員に退去を求めている問題で、卒業生と市民らが27日、山極寿一総長らに宛てて寮の保全と活用を求める共同声明を提出した。 この日、卒業生でつくる「21世紀に吉田寮を活(い)かす元寮生の会」のメンバーらは、趣旨に賛同した卒業生と市民計642人の名簿と合わせて、共同声明を大学に提出。同寮の築105年の旧棟は京大の誇るべき財産と指摘し、「学生たちとの話し合いを通じ、対話を重んじてきた『京大らしい解決』を望む」と訴えている。 大学は昨年12月、耐震基準を満たす新棟の入居者を含む全寮生に退去を求める基本方針を発表。寮生と大学は今年7、8月、退去や旧棟の補修などについて話し合った。「議論が建設的ではない」などの理由で大学側は9月中旬、話し合いの中断を通告している。 【 2018年09月28日 08時40分 】