罪と音楽、小室哲哉 小室哲哉があの事件を振り返ります。 しかし、単なる事件の回顧録ではありません。 この本はいい意味で僕の期待を裏切っていて、なかなか面白かった。 あれほどの成功をつかんだ男が、どうやって奈落の底に落ちていくのか。 そんなことが赤裸々に綴られています。 やはり小室哲哉は天才「プロデューサー」なんだなと改めて思いました。 彼の時代を読み解く感性や、他人の才能をマネーに変換させるビジネスセンスはやはり超一流です。 だからこそ彼の借金や慰謝料をエイベックスはまるまる喜んで肩代わりしたのでしょう。 本書はビジネス書としてもすばらしい内容です。 どうやって大衆の琴線に触れる商品を作り出すかと言うマーケティングのヒントかたくさんちりばめられています。 そして、やはり作詞家らしく、この本の文体はとても美しい。 ひとりの男が堕ちていく様が、詩的に描かれています。 買っても損はない本だと思い