今年公開されたオリバー・ストーン監督の映画『スノーデン』。2013年にエドワード・スノーデンがアメリカ国家がインターネットを通じ、全世界の通信を傍受していたことをメディアに暴露した、いわゆる「スノーデン事件」を元にしている。映画といっても、基本的に大きな脚色もなく、ほぼ再現ドラマといっていいようなものだ。 昨年は、この『スノーデン』にも出てくる女性ドキュメンタリー映像作家のローラ・ポイトラス氏が監督したドキュメンタリー映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』が公開された。ここで語られるエドワード・スノーデンの話と『スノーデン』で表現される内容とに大きな差異はないようだ。 とはいえ、ストーンが監督した『スノーデン』は、当然のことながらフィクションであり、エンターテインメントである。造られた美術セットの中で役者が演じ、スリルに満ちた場面やスノーデンの恋愛ストーリーも折り込まれて飽きさせない作り