2016年12月18日12:15 カテゴリ経済 国債は通貨より重要な政府債務である 政府の本源的な収入源は徴税しかないと思われているが、政府は国債で資金を調達できるので、その償還を無期延期できるなら国債は通貨と同じである。その残高は統合政府で考えるとマネタリーベースよりはるかに多く、金利をコントロールできる点でも通貨より重要である。 つまり近代国家は、税で収入を得る租税国家から、国債に依存する債務国家に変わったのだ。シムズのFTPLは正統派の理論にもとづいて、債務国家の財政管理を考えるものだ。 債務国家は悪いことではない。Cochraneのいうように国債は政府の発行する株式のようなもので、短期的な景気変動に対するバッファとしては税よりすぐれている。株式は返済する必要がないのと同じく、国債も償還を先送りできる。問題は、政府の「時価総額」がどのように算定されるかだ。政府の「時価総額」を計算する