2019年07月23日19:32 カテゴリ経済 MMTはアベノミクスを否定する MMTはマクロ経済学的には新しい話ではないが、正しい点もある。ケルトンも日本で明言したように、ゼロ金利では量的緩和でマネーは増えないということだ。MMTは預金が「信用乗数」で増えて信用創造が行なわれるという通説を否定し、信用創造は資金需要で決まるという。これは内生的貨幣供給説と呼ばれる理論である。 教科書的な説明では、中央銀行がマネタリーベースを増やすと、マネーストックはそれに信用乗数をかけた分だけ増える。つまり マネーストック=マネタリーベース×信用乗数 だから信用乗数が安定している短期では、マネーストックはマネタリーベースにほぼ比例して増えるはずだ。これに対してMMTによれば、マネーストックは資金需要で決まるので、マネタリーベースを増やしてもマネーストックは増えず、信用乗数(マネーストック/マネタリーベース