――気候危機への対抗運動 コロナ被害への要求闘争 出来事を能動的に 生きる経験から生まれる左傾化―― 資本主義の危機と世界に広がる対抗運動をどう見るのか? 大阪府立大/社会思想史専攻・酒井隆史さんに、気候変動危機に対抗する若者世代の主張と運動について聞いた。新型コロナのパンデミックも、新自由主義グローバリズムによって被害が拡大したものであり、世界の左派が議論している被害抑止策や資本主義変革に向けた提言も紹介してもらった。2回連載で掲載する。 編集部 気候変動対策の要求運動の中心は、「ミレニアル世代」やそれ以下の若い層です。「ミレニアル世代」とは、80年代から2000年代初頭に生まれた世代を指します。スウェーデンの16歳の活動家グレタ・トゥーンベリの鮮烈なスピーチは日本でも注目されましたが、その背後にこの新しい世代の厚みを感じとるべきです。 すでにオルタグローバリゼーションの運動に関わっ