様々な自然条件が奇跡的に重なり合って生み出された、白銀に輝く樹々。蔵王の樹氷は冬の風物詩として国内外から多くの観光客が訪れる人気スポットです。ここではそんな、山形県と宮城県にまたがる蔵王の樹氷についてご紹介します。 蔵王連峰は奥羽山脈の一部を構成する連峰で、宮城県と山形県の両県南部の県境に位置しています。宮城県側に広がる「みやぎ蔵王」と、山形県側の「蔵王温泉(通称山形蔵王)」がありますが、主峰の熊野岳(1,841m)が位置する山形県側の方が規模が大きく、ロープウェイをはじめとするスキー場の設備も充実しています。 世界的に知られる樹氷原は、この蔵王連峰の特別な気象条件と植生が織りなす芸術です。まず連峰に生息しているアオモリトドマツに雪雲の中の水分が付着し、凍ります。 次に着氷の隙間に多くの雪が取り込まれ、それが互いにくっついて固くしまります。