放送コンテンツのネット配信サービスを妨げているのは権利者である――。一部で定着しているこの考えをひも解くと、常に批判の的となってきたひとつの権利者団体が思い浮かぶ。日本音楽著作権協会、通称「JASRAC」だ。 権利者の財産を守りつつ、円滑な流通促進に寄与することを目的として活動するこの団体は、放送・通信融合時代におけるサービス促進へのニーズが高まるにつれて「最大の阻害要因」とする声も聞こえてくる。 それでもJASRACは怯まない。いわゆる「YouTube問題」で複数権利者とともに批判の声をあげる際には会見場としてスペースを提供し、むしろ「抵抗勢力(あくまでユーザーにとって)の中心的な存在」であることを印象づけている感すらある。 JASRACの本質とは何か。そして、放送・通信融合時代における自身の役割をどう考えているのか。JASRAC常任理事である菅原瑞夫氏に語ってもらった。 ■「相手が誰で