(英エコノミスト誌 2010年5月15日号) デビッド・キャメロン首相の新連立政権は1つの賭けだ。だがこの賭けは、意外な成功をもたらすかもしれない。 過去200年近くの間で最年少の首相、65年ぶりの連立政権、史上初の保守党・自由民主党(自民党)連立による政府――。意図したものではなかったが、先日、あらゆる面で英国の新たな歴史がつくられた。 本誌(英エコノミスト)は、5月6日の総選挙で保守党が有権者の強い信任を受け、単独で政権を取ることを期待していた。 しかし、敗れた労働党を中心とする多党「寄せ鍋」政権となるか、あるいは少数与党の保守党政府が議会での採決のたびに頭を下げる必要に迫られる事態になるかと思われた、5日間にわたる連立交渉と非難合戦の末に、はっきりしない投票結果という条件の下では考え得る限り最良の結果が得られた。 保守、自民両党のマニフェストの最良の部分を多く取り込んで合意された政策