1896年6月の明治三陸大津波に触発され、日本語の「ツナミ」が世界に広まるきっかけとなった小説「生き神」を書いた作家ラフカディオ・ハーン(小泉八雲、1850~1904)の蔵書を保管した富山大学付属図書館・ヘルン文庫(富山市)で、同津波を特集した当時の英文冊子を、明治大学兼任講師の中川智視さん(36)が発見し、翻訳を進めている。 冊子は、「日本での大災害 1896年6月15日」と題する32ページで、英国人が創刊した横浜の英字新聞「ジャパン・ガゼット」(1923年廃刊)が同津波に関する記事を1冊にまとめた。津波後間もない同年7月頃の刊行とみられる。 津波の約1週間後、横浜から被災地の岩手県釜石町(現釜石市)を訪れた英国人記者のルポなどを掲載。生存者の証言や、外国人の目から見た被災地の様子を生々しく伝える。冊子中の2か所で日本語の「ツナミ」が使われており、英文での「ツナミ」の用例として最も早い時