●この絵葉書、一昨年「川蒸気の絵葉書二題」ですでに紹介し、同時にタイトルに掲げた一枚の、しばらく後に入手したもので、絵柄、キャプションともまったく同じものです。 しかし、今回のものは、前回のものよりはるかに鮮明で、各部のディテールもより楽しめること、構図も素晴らしく一番のお気に入りということもあり、いま一度タイトルにも掲げて、悦に入ってみたいと思います。 ●製版時の塩梅なのか、単に刷りがよかったのかはわかりませんが、前回はツブレ気味で、判然としなかった細部が見て取れるのは嬉しいところ。以下、気になったところをいくつか。 左舷、手すりの開口部には座ってこちらを見ている和服の人物が、船尾客室ははっきりしませんが、やはり外で座り込んでいる人が何人かいるように見えます。船が少々傾き気味なのは、このためもあるのでしょうか。 ●操舵室右舷側の窓、天にヒンジのついた外開きであるように見えましたが、今回の
●関東の水運時代を支えた、代表的大型川舟である利根川高瀬舟。「高瀬舟の写真があった!」でも絵葉書を一枚紹介しましたが、川風に白帆を上げて快走する姿をもっと見てみたい、と願っていたところ、天に祈りが通じたのか、素敵な絵葉書を何枚か入手することができました。 ●今回はその中から4枚、江戸川と利根川、また常陸利根川に白帆を映す高瀬舟の艶姿を、ご覧に入れようと思います。うち3枚は「写真集・利根川高瀬船」(千葉県立大大利根博物館刊・過去ログ『関宿城博物館で購入した書籍』参照)にも掲載されていたものですので、ご存知の方も多いでしょう。 【▼「続きを読む」をクリックしてご覧ください】 ●「利根の風景 潮來の歸帆」 宛名・通信欄比率1:1、大正7年4月以降の発行、「角菱旅館発行」の銘あり。 ●詰め開き(横風帆走で風を受けるため、帆を一杯に開くこと)に掲げた帆が、静かな水面に影を落とす、胸のすくような川景色
地誌のはざまに 神奈川県を中心に、また江戸時代前後を中心に、その地誌を掘り返して話題を取り上げていく予定です。関連する自作、他作の動画なども取り上げます。 TOP ALL Entry RSS tweet Facebook Hatena blog LOGIN blog Making 「新編相模国風土記稿」の各郡図説に掲げられた産物や山川編の産物について、個々に調べて記事をまとめるということを続けてきました。こうしたものの当時の実情について知ろうとすると、地元の史料を漁るだけではなく、そもそも江戸時代にはこれらの品々がどの様に意識されていたのかについて調べる必要が否が応でも出て来ますし、併せて現在はどうなったかについても確認しなければなりません。知っていたつもりのことでも改めて調べてみると違っているなどということも多々出て来ます。 最近は国立国会図書館で所蔵している文献などがデジタル画像化され
地誌のはざまに 神奈川県を中心に、また江戸時代前後を中心に、その地誌を掘り返して話題を取り上げていく予定です。関連する自作、他作の動画なども取り上げます。 TOP ALL Entry RSS tweet Facebook Hatena blog LOGIN blog Making Wikimedia Commonsに登録された椿の標本図 委細が明記されていないが シーボルト「日本植物誌」中のもの ("Camellia japonica SZ82". Licensed under Public domain via Wikimedia Commons.)「新編相模国風土記稿」に掲げられた産物から、今回は「椿」を取り上げます。 ◯山茶和名、津婆幾、◯鎌倉郡玉繩領邊の花を美とす、土俗鎌倉椿と稱す、 (卷之三 山川編、雄山閣版より) 椿に関する記述があるのは山川編の「物産」のみです。鎌倉郡図説では
地誌のはざまに 神奈川県を中心に、また江戸時代前後を中心に、その地誌を掘り返して話題を取り上げていく予定です。関連する自作、他作の動画なども取り上げます。 TOP ALL Entry RSS tweet Facebook Hatena blog LOGIN blog Making 「新編相模国風土記稿」に掲げられた産物から、今回取り上げるのは「水仙」です。 山川編(卷之三):◯水仙三浦郡城ヶ嶋村に生ずるもの、重瓣にして莖長く、尋常の種に異なり、 三浦郡図説(卷之百七 三浦郡卷之一):◯水仙花城ヶ島村に生ずるもの重瓣にして莖長く尋常の種に異なり 城ヶ島村(卷之百十二 三浦郡卷之六):此地水仙花多し花重辨にして茎長し、 (以下「風土記稿」の引用は何れも雄山閣版より) こちらは山川編、三浦郡図説と対象となる城ヶ島村の記述が揃っています。何れも八重咲きの水仙であることを強調しています。 城ヶ島付近
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