雑誌からスマホへ――。人気漫画誌を発行する大手出版社がスマートフォン向け漫画アプリへの進出を加速させている。背景には、深刻な雑誌離れがある。多くの作家を抱えていても、アプリでは後発。業界の垣根を越えた競争が始まっている。 小学館のアプリ「マンガワン」は4月、サービス開始から2年5カ月で1千万ダウンロードを突破した。1日平均130万人以上がアクセスする。 「雑誌に載せるよりも、知名度が上がる」。マンガワンの和田裕樹副編集長(39)はその影響力を指摘する。オリジナル作を中心に約60作を順次、毎日更新する。1日最大8話まで無料で読めるのが売りだ。 一部を無料にしても、単行本の収益が狙える。多くの人に知ってもらう「プロモーション媒体」と位置づける。14巻までの累計発行部数が170万部に達する「モブサイコ100」などの人気作も出ている。 講談社は4月から1カ月間、アプリの開発会社と技術者を公募。大手