アジアやアフリカを中心とした途上国では、人口の急激な増加と経済発展とともに、水の需要が増大しています。人口は都市に集中し、水需要の偏在化も加速し、渇水のリスクが増大しています。同時に、食料需給が増大し、灌漑(かんがい)用の水需要も増大しています。 水問題は食料問題と裏腹の関係にあるので、ひとたび水不足になると、広範囲にわたって影響が出てしまいます。 水は少なすぎる場合だけでなく、多すぎても問題です。生活に必要な水を得るため、あるいは舟運が重要な交通手段であったこともあり、世界各地の大都市の多くは河川の近くで発展してきました。都市の発展に伴い、雨季や洪水のたびに水浸しになる可能性の高い氾濫原の多くも、農耕地から居住地へと開発が進んでいます。こうした地域は洪水に対して脆弱。台風やハリケーンなどの熱帯低気圧や集中豪雨などによる洪水で水災害が起きてしまいます。2000年の東海豪雨災害はその典型です