2月29日、首相官邸で「皇室制度に関する有識者ヒアリング」がおこなわれた。 女性皇族が結婚後も皇室にとどまるための「女性宮家」創設を検討するためである。 僕は、その第1回目のヒアリングに呼ばれ、意見を述べた。 女性宮家をどう考えるか、そして象徴天皇制をどう思うか、話したのである。 日本という国は、世界でも特異な国だと思う。 学術的にいろいろな見解はあるだろうが、千数百年間、天皇制は続いてきた。 そしてその間、何度も危機はあった。 たとえば鎌倉時代、3代将軍・源実朝の死を機に、後鳥羽上皇が朝廷の権威回復を 狙って、挙兵した。承久の乱である。 だが、逆に朝廷側はあっさり敗れてしまうのである。 普通ならここで天皇家は終わりである。 ところが、京に攻め上がった後の3代執権・北条泰時は、首謀者である後鳥羽上皇らを 隠岐島などに配流したものの、結局は、新しい天皇を即位させるのである。 建武の中興もそう