東京大学 准教授の染谷隆夫氏の研究グループはドイツMax Planck Institute for Solid State Researchと共同で,印刷技術を使いながらもチャネル長が1μmと短い有機トランジスタの開発に成功した。有機半導体には,p型トランジスタにはペンタセン,n型トランジスタにはフタロシアニン系のF16CuPcを用いており,キャリア移動度とオン/オフ比はp型で0.3cm2/Vsと106,n型で0.02cm2と104を確保している。駆動電圧も低く,通常は数十Vのところを今回は2~3Vに抑えている。これらのトランジスタを使ったCMOSインバータ回路も試作しており,良好に動作することを確認した。基板には,ガラスやフレキシブルなプラスチックを使う。いずれの基板も上記の良好なトランジスタ特性を得られた。 今回試作した有機トランジスタは,有機半導体層上にソース電極とドレイン電極を形成