東芝は2009年10月5日,ソニーや米IBM Corp.と共同開発したマイクロプロセサ「Cell Broadband Engine(以下Cell)」を搭載する液晶テレビ「CELL レグザ(REGZA) 55X1」を発表した(ニュース・リリース)。「これまでのテレビ作りへのこだわり,半導体技術やLED技術など,東芝が持っている総合技術力の結晶。“最高のエンタテインメント・マシン”」(東芝 デジタルメディアネットワーク社 社長の大角正明氏)と位置付ける。「高画質・高音質」「録画」「ネットワーク」の三つの機能を強化することで,「テレビの概念を変える」(東芝の大角氏)とした。 CELL レグザ 55X1は外形寸法が55型で,画素数は1920×1080(フルHD)。搭載するCellは,45nmプロセスで製造されており,プロセサ・コア「SPE(Synergistic Processor Element
先週、「ローカルディミングを行えば、なんでもイイというわけではない」と書いたが、これだけではLEDバックライト搭載テレビの利点は少ないと極端な誤解をされる方もいるかもしれない。しかし、液晶テレビのバックライトをLED化するのは、基本的には画質を向上させてくれるので、その点は心配無用だ。問題はその使い方にある。 繰り返しになるが“ローカルディミング”とは、液晶パネルの裏側に並べたLEDの発光量を個々に制御することでコントラストを高める方法で、同一画面内の異なるエリアのコントラスト比を大幅に高めることができる。 しかし、上手に制御するには画素単位でバックライトの明るさの変化に応じたRGB各サブ画素のゲインを変える必要がある。例えば1個のLEDを半分の明るさにすると、近傍の画素は半分近くの明度になる。ところがLEDから離れると、隣り合う別のLEDからの光が入り込む。その変化の度合いを考慮しながら
先週に続いて、LEDバックライトの色再現域について解説していこう。 LEDバックライトを採用した液晶テレビが、“高い色純度を表現できる”、“目がさめるような鮮やかさ”といった形容をされるのは、LEDが非常に狭い帯域の光を放つ特性を持っているからだ。カラー液晶パネルは、バックライトの光をカラーフィルターに通すことで色を表現するが、カラーフィルターは特定の周波数のみを通すわけではない。グラフで表現するとなだらかな裾野を持つ山のような特性になっている。 このためカラーフィルターを透過する光は、例えば“赤”といっても必要とする赤色の周波数を中心に比較的幅広い帯域の光が透過してしまう。それがLEDバックライトならば、赤、青、緑の各LEDが、それぞれに発振する固有の周波数帯を中心に非常に狭い帯域の光しか出さないため、カラーフィルターの特性がなだらかでも透過する光はピーキーなものが取り出せる。 もちろん
前回は、液晶パネルの光沢化について話をした。いくつかのメールを頂いたが、肯定的な意見を持つ人が多い反面、やはり否定的な人も少なくない。否定的な意見の多くは、PCのディスプレイを例に、映り込みの不快さを挙げていた。 ちなみに筆者自身はというと、PCディスプレイはハーフグレア派だが、テレビに関してはグレア(光沢)パネル肯定派である。理由はいくつもあるが、実はこの議論はもう10数年前までに結論が出ていた。 ブラウン管にもシリカ加工による“すりガラス”のような仕上げ(アンチグレア)とARコート仕上げ、あるいは何もしない素のままの仕上げなどがあったが、アンチグレアは主流にはならなかった。理由は画質面の低下に加え、反射する光が多く、見づらかったからだ。 当時のAR処理と現在のものは性能が異なるが、ARコートが一部の光を吸収して映り込みを緩和させるのに対して、アンチグレア処理は光を吸収しないため、ほとん
イスラエルAMIMON Inc.は,5GHz帯を用いてHDTV映像を非圧縮で伝送する無線規格「WHDI(wireless high-definition interface)」に対応するチップセット「AMN 2120/2220」を発表した。1080p(1920×1080画素,プログレッシブ)のHDTV映像を非圧縮で伝送できるとする。AMIMON社の従来のチップセットは,1080i(1920×1080画素,インタレース)映像の非圧縮伝送に対応していた(Tech-On!の関連記事1)。薄型テレビやBlu-ray Discプレーヤー,セットトップ・ボックス(STB)など,家庭で使用するAV機器間の映像伝送に向ける。 データ伝送速度を3Gビット/秒に高めることで,1080p映像を非圧縮伝送に対応する。伝送距離は壁越しで30m以上,遅延時間は1ms以下とする。コンテンツ保護規格であるHDCP 2.0
「何千億円も投資して全然利益が出ないなら、銀行に預金した方がいい。外貨預金の金利を上回る利益が出せないならやめるべきだ。やめないなら、ちゃんと利益を出せるモデルを作れ、と社内で繰り返し言っている」 2月21日にソニーが開いた半導体事業の説明会で中川裕副社長はこう強調した。半導体に関する話だが、ハワード・ストリンガー会長兼CEO(最高経営責任者)が提唱する「アセットライト(資産の軽量化)」をこれほど明快に解説した表現はない。 そんな「外貨預金の金利以下」のリターンになりかねない案件に、ソニーはあえて投資をする。2009年度に稼働を予定するシャープの液晶パネルの新工場に34%を出資し、パネルの共同生産に乗り出す。 右のグラフのように、パネルは液晶テレビの製造原価の3分の2以上を占める基幹部品。これを内製化すれば価格競争力がつくと見て、ソニーは2004年に韓国サムスン電子との合弁でパネル製造会社
ソニースタイル・ジャパンが提供するWebサイトで購入したため,量販店で購入する場合とは異なる箱になっている 「技術のソニー復活の象徴」――。ソニー代表執行役社長 兼 エレクトロニクスCEOの中鉢良治氏がこう位置付ける製品が,ついに市場に登場した。満を持して発売にこぎ付けた有機ELテレビである(Tech-On!関連記事)。 発売日は2007年12月1日だが,既に一部の量販店などでは先行して販売が始まっている。しかし,早くも品薄状態になっており,すぐには手に入らないケースがほとんどのようだ。 もちろん心配はいらない。我が日経エレクトロニクス分解班は,貴重な1台を確実に入手した。編集部の専用テレビとして使うためではない。ソニーが技術力を結集したと胸を張る製品を分解し,その一端を分析するためだ。分解の様子は,このTech-On!や日経エレクトロニクス本誌を通して読者の方々にお伝えしていく予定である
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く