小泉純一郎内閣が退陣して以降、6人もの総理大臣が約1年で交代を繰り返してきた。その間にこの国は国際的な発言力、影響力を低下させ、隣国は露骨なまでの領土・領海侵犯を繰り返すようになった。日本がまともな国に復活するには、強いリーダーが必要です――このほど『中国に立ち向かう覚悟』(小学館刊)を上梓した櫻井よしこ氏はそう説く。衆議院選挙を前に櫻井氏が、日本がいま取り組むべき課題について解説する。 * * * そもそも国家が主権を保つためには、最低でも「軍事」「経済」という2つの要件を充実させなければなりません。経済においては、日本はつい先頃までの20年間、GDPが500兆円台で横ばいを続けていました。しかもこの数年GDPは縮小し、いまは400兆円台に落ちています。世界の多くの国々が、9.11やリーマン・ショックなどがありながらも経済成長を続けているのとは対照的です。 日本は輸出額がGDPの14%、