『アンフェイスフル・ミュージック&ディスアピアリング・インク』 エルヴィス・コステロ著 この記事の写真をすべて見る 『アンフェイスフル・ミュージック&ディスアピアリング・インク』 エルヴィス・コステロ著 ●第29章 ザッツ・ホウェン・ア・スリル・ビカムズ・ア・ハートより ポール・マッカートニーと僕が共作に取り組んでいた1987年のある日、ポールが僕に、ロンドンに行きツアー・バンドのメンバーを募るため、仕事を切り上げなければならないと言った。彼は「一緒に行くかい?」と僕を誘った。 僕たちは大型のメルセデスのバック・シートに乗り込んだ。車が走り出すと、ポールは「飲み物でもどうだい?」と言い、僕たちの間のシート・アームの引き出しを開け、スコッチ&コークを一杯飲んだ。そして上機嫌で、手巻きたばこを吸った。僕はこんな貴重な機会に、酔うわけにはいかないと思い、丁重に断った。 僕たちがリハーサル・スタジ