ウィントン・マルサリス ロックイット コカイン 『ラウンド・ミッドナイト』 前回の続き。 ハービー・ハンコック自伝 新しいジャズの可能性を追う旅 作者:ハービー・ハンコック 発売日: 2015/07/10 メディア: 単行本 ウィントン・マルサリス [フレディの遅刻癖にうんざりしていた時に、ウィントンを紹介され、フレディとの交代を思いつく] ロンはVSOPが継承するマイルス・デイヴィスの遺産にこだわりをもっていた。(略)十九歳の若者にその役を任せてもいいのだろうか?トニーはそれほど気にしていなかった。マイルスのバンドに入ったとき、まだ十七歳だったからだろう。 (略) 「聞いてくれ」と私は言った。「おれたちは、やろうと思えば、マイルスの遺産を自分たちだけで守り続けることはできる。だけど、おれたちが死んだら、それも一緒に死んでしまう。若い世代の連中と分かち合ったら、彼らがそれを後世に伝えてくれ