静岡大学大学院は18日、科学的に未解明だった輪状に芝が色濃く生え、その後、キノコが生える「フェアリーリング(妖精の輪)現象」を引き起こす物質が、農作物の収穫量を増やす効果を持つことを突き止めたと発表した。早ければ2〜3年後にこの物質が含まれた肥料が発売される見通しだ。 効果を発見したのは、同大学院創造科学技術研究部の河岸洋和教授。河岸教授によると、この物質は「2−アザヒポキンサチン(AHX)」と呼ばれ、キノコに含まれている。 フェアリーリング現象の発生は、キノコの胞子が風で空中に舞い、地面に漂着すると、このAHXを含む菌が性質上、円状に広がる。この現象が周辺の植物の成育を促す効果を持ち、輪状の部分の芝のみが成育するという。これまで西洋では妖精が輪をつくり、その中で踊ると言われており、1884年に科学雑誌に紹介された以降も正体は謎に包まれていた。 今回、このAHXをキシメジ科のコムラサ